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プレスリリース

iXgene、慶應義塾大学医学部、住友ファーマによる、ゲノム編集iPS細胞を用いた、悪性脳腫瘍治療薬の実用化に向けた3者間共同研究契約締結のお知らせ

 株式会社iXgene(本社:東京都、代表取締役:古川俊治 以下「iXgene」、慶應義塾大学医学部(医学部長:金井隆典)及び住友ファーマ株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:野村博、以下「住友ファーマ」)は、ゲノム編集iPS細胞由来神経幹細胞を用いた悪性脳腫瘍治療薬の実用化に向けた3者間共同研究契約を締結しましたので、お知らせします。

 本共同研究契約に基づき、ゲノム編集により治療用遺伝子を導入したiPS細胞由来神経幹細胞の、悪性脳腫瘍に対する有効性及び安全性に関する非臨床試験、或いはその予備試験を3者共同で実施します。

 悪性脳腫瘍は極めて予後不良の疾患です。手術や化学・放射線療法を駆使しても根治は困難であり、再発時には有効性が証明された治療法は存在しません。本難治性疾患に対する新規治療法として、慶應義塾大学医学部脳神経外科学教室戸田正博教授が開発したゲノム編集iPS細胞由来神経幹細胞を応用します。本治療用細胞は、治療用遺伝子をゲノム編集によりiPS細胞に導入し、神経幹細胞に分化誘導することによって作製します。治療用遺伝子として、融合自殺遺伝子 yeast cytosine deaminase–uracil phosphoribosyl transferase(yCD-UPRT)を選定しています。yCD-UPRT 遺伝子は、プロドラックである抗真菌剤 5-Fluorocytosine(5-FC)を抗腫瘍剤 5-Fluorouracil(5-FU)に変換する酵素の遺伝子です。本治療用細胞を悪性脳腫瘍患者に投与し、一定期間後にプロドラッグである5-FCを投与すると、腫瘍細胞周辺に遊走した本細胞に導入した自殺遺伝子が作動し、局所高濃度の抗がん剤5-FUを生じさせることによって、腫瘍細胞を死滅させます。
 本共同研究では、将来の臨床試験実施に向け、慶應義塾大学医学部及び住友ファーマの技術協力の下、主にiXgeneが安全性、有効性に関わる非臨床試験、或いはその予備試験を実施します。


【ゲノム編集について】
ゲノム編集技術:任意の塩基配列を切断できるDNA切断酵素によりゲノムDNA上の目的配列を切断し、細胞の持つDNA修復機構を利用して遺伝子のノックアウトやノックインを行うことができます。

【iXgeneについて】
iXgeneは、2020年に慶應義塾大学医学部発スタートアップとして創業いたしました。iPS細胞技術とゲノム編集技術を組み合わせたゲノム編集iPS細胞を用いて、既存治療法の存在しない難治性疾患に対する治療法の開発を目指してまいります。

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