
対象疾患

脳腫瘍の再発治療
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原発性脳腫瘍の中で15-20%を占める悪性神経膠腫(グリオーマ)は、平均生存期間が15ヶ月に満たない、極めて難治性の疾患です。
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グリオーマ幹細胞が脳内奥深くに浸潤し、外科手術による完全切除が困難であることに加え、脳内に抗腫瘍効果のある薬物を届けることが困難であることが、より根治的治療を困難にしています。
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再発患者に対する有効な証明された治療法が存在しないことが課題となっています。

脳損傷等からの機能回復
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外傷性脳損傷、脳梗塞等に起因する脳機能障害の回復は、リハビリテーションを中心とした対症療法にとどまり、積極的な治療方法は存在しません。
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しかし、脳梗塞における神経症状は重症長期障害原因の第一位であるなど、脳梗塞罹患者の社会復帰における大きな障害となっています。
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様々な細胞治療方法が試みられているものの、未だ開発途上にあります。
技術紹介
自殺遺伝子導入iPS細胞由来神経幹細胞を用いた難治性脳疾患の治療

自殺遺伝子(CD-UPRT)導入iPS細胞を分化させた神経幹細胞(Neural Stem Cell, NSC)を、遺伝子細胞治療用製剤として使用します。NSCは脳腫瘍へ遊走・集積するため、NSC投与後プロドラッグを投与すると、脳腫瘍局所において高濃度の抗腫瘍物質が生じ周辺の脳腫瘍細胞を障害します(バイスタンダー効果)。
また、NSCは脳障害部位に遊走・局在し、損傷部位を再生することが知られており、自殺遺伝子導入NSCは外傷性脳損傷や脳梗塞に起因する脳障害の再生医療にも応用できます。一方で、iPS細胞を用いた再生医療はiPS細胞が有する造腫瘍性が臨床使用に向けた大きな課題となっています。私たちの自殺遺伝子導入NSCは、自殺遺伝子を作動させることで本細胞自身死滅させることができるため、安全性を高めたiPS細胞治療の新たな可能性を切り拓くことが期待できます。
創業メンバー

代表取締役 CEO
古川 俊治
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慶應義塾大学法務研究科教授・医学部外科教授
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医学博士
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弁護士(TMI総合法律事務所)
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MBA(英Oxford)
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慶應大学医学部卒(1987)

取締役 COO
水野 篤志
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AI創薬ベンチャー事業開発、バイオベンチャー管理部長、VC投資担当、ライフサイエンス系新規事業コンサルティング等を歴任
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工学博士
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東京工業大学生命理工学部卒(1998)

科学顧問
戸田 正博
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慶應義塾大学医学部脳神経外科教授
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ジョージタウン大学脳神経外科リサーチフェロー
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医学博士
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慶應義塾大学医学部卒(1987)

科学顧問
岡野 栄之
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慶應義塾大学医学部生理学教室教授
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慶應義塾大学医学部長
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大阪大学医学部神経機能解剖学研究部教授
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医学博士
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慶應大学医学部卒(1983)


会社情報
会 社 名 :株式会社iXgene
所 在 地 :東京都新宿区内藤町1-6
設 立 :2020年1月6日
資 本 金 :362.5百万円
代表取締役 :古川 俊治
主な事業 :ゲノム編集iPS細胞を用いた再生医療の開発